青木ヶ原樹海の廃墟探検 – 不気味な建物と怪異現象の正体

この記事には広告が含まれます。当ブログは心霊や怪奇現象のロマンを楽しむエンターテインメントです。フィクションを含みます。

「コンパスが狂う」「時計が止まる」「携帯電話が圏外になる」。富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海には、科学では説明のつかない不思議な現象が数多く存在しています。僕は心霊現象研究家として、これまで数々の心霊スポットを訪れてきました。しかし、青木ヶ原樹海ほど独特な雰囲気を持つ場所は他にないかもしれません。今回は、樹海の中に点在する謎めいた廃墟と、そこで起きる不可思議な現象の数々について、実際の探索レポートとともにお伝えしていきます。

目次

青木ヶ原樹海とは?心霊スポットとしての魅力

溶岩台地の上に広がる原生林、青木ヶ原樹海。その暗い緑の海の中には、時代を忘れたかのような建物が今も眠っています。この場所が心霊スポットとして注目されるようになったのは、1970年代後半のことです。

青木ヶ原樹海の最大の特徴は、その地質学的な特性にあります。約1200年前の富士山の噴火でできた溶岩台地の上に形成された森は、地下に複雑な溶岩洞窟を持ち、地表には磁鉄鉱が豊富に含まれています。そのため、方位磁針が正確に北を指さないことがあるのです。これは科学的に説明できる現象ですが,この特異な環境が様々な怪異現象を引き起こす要因となっているのかもしれません。

樹海の中に一歩足を踏み入れると、まるで異世界に迷い込んだような感覚に襲われます。うっそうと茂る木々は日光を遮り、真昼でも薄暗い空間を作り出します。地面は凸凹した溶岩で覆われ、その上には分厚い苔が生えています。足音までもが吸い込まれるような静寂の中で、時折聞こえてくる風の音だけが、この場所が現実世界の一部であることを思い出させてくれます。

特筆すべきは、樹海の持つ独特の磁場です。携帯電話の電波が突然途切れたり、デジタル機器が誤作動を起こしたりすることがよく報告されています。2021年の調査では、特定のエリアで電子機器が集中的に故障する「ホットスポット」の存在も確認されました。

また、樹海の中には様々な時代の人工物が点在しています。昭和初期に建てられた山荘、戦時中の防空壕、そして1960年代のホテル。これらの建造物は、いずれも突然の閉鎖を余儀なくされています。その理由については様々な噂が飛び交っていますが、確かなことは誰にもわかっていません。

地元の古老たちは、樹海には「人を寄せ付けない力」があると言います。実際、開発計画の多くが途中で頓挫し、建てられた建物も次々と廃墟と化していきました。まるで、樹海そのものが人工物を拒絶しているかのようです。

僕が初めてこの場所を訪れたのは、5年前の夏のことでした。取材で訪れた樹海で、言いようのない違和感を覚えたのを今でも鮮明に覚えています。それは単なる原生林特有の不気味さとは異なる、もっと根源的な「何か」の気配でした。

以来、僕はこの場所の謎を解き明かすべく、数十回にわたって調査を重ねてきました。その過程で出会った不思議な現象の数々は、私たちの知る世界の向こう側に、まだ見ぬ領域が広がっていることを示唆しているのかもしれません。

青木ヶ原樹海の廃墟探索 – 何が見つかるのか?

樹海の中に数多く残された廃墟群。それらは単なる朽ち果てた建物ではなく、昭和という時代の記憶を色濃く残す貴重な場所でもあります。これから紹介する建造物は、現在は立入禁止となっているものがほとんどです。あくまでも記録として、これらの場所についてお伝えしていきましょう。

青木ヶ原樹海の不気味な建物とその歴史

1960年代、高度経済成長期の日本。富士山の観光開発が本格化するなか、青木ヶ原樹海にも次々と保養施設が建設されていきました。その代表的な建物が、樹海の中心部に位置する「M山荘」です。

鉄筋コンクリート造り3階建ての本館は、当時としては最新鋭の設備を誇っていました。大理石の床が敷き詰められたロビー、総ヒノキ造りの大浴場、富士山を一望できる展望ラウンジ。その豪華さは、現在の廃墟からは想像もつかないものでした。

しかし、1978年の突然の閉館以降、建物は急速に朽ちていきました。閉館の理由について、様々な噂が囁かれています。経営難説、事故物件説、はては心霊現象による営業困難説まで。真相は闇に包まれたままです。

印象的なのは、建物の内部に残された生活の痕跡です。レストランのテーブルにはまだ食器が並び、フロントカウンターには宿泊者名簿が開かれたまま。まるで、時間が突然止まってしまったかのような光景が広がっています。

特に不思議なのは、建物の様々な場所に描かれた「赤い×印」の存在です。誰が、何の目的で描いたのか。その謎は今も解明されていません。地元の古老によれば、これは何かの「目印」だという説もあります。

樹海の廃墟ホテル – 心霊現象が多発する理由とは?

M山荘で特に心霊現象が多く報告されるのが、2階の客室フロアです。かつて「特別室」と呼ばれた208号室では、深夜になると女性の泣き声が聞こえてくるという証言が複数存在します。

2020年の調査時、僕も驚くべき体験をしました。夕暮れ時、208号室の前で撮影を行っていた時のことです。何気なくファインダーを覗くと、窓際に白いドレス姿の女性が写り込んでいたのです。しかし、実際の部屋を確認すると、そこには誰もいませんでした。

これらの現象について、心霊研究家の間では興味深い説が提唱されています。建物が建っている場所には、古くから「結界」のような力が存在していたという説です。その力と人工物が干渉することで、様々な異常現象が引き起こされているのかもしれません。

実際、建物の周辺では常に不思議な電磁波が観測されています。2019年の調査では、通常の10倍以上の強さの電磁波が記録されました。この異常な数値は、既存の科学では説明がつかないものでした。

青木ヶ原樹海の廃墟マップ – 探索のためのガイド

樹海の中には、M山荘以外にも多くの廃墟が点在しています。1950年代に建てられた研究施設、戦時中の防空壕、そして昭和初期の山小屋跡。これらの建造物は、それぞれの時代の記憶を今も静かに伝えています。

特に注目すべきは、樹海の最深部に位置する旧研究施設です。コンクリート造りの平屋建て、その用途については様々な説が飛び交っています。地質調査所説、気象観測所説、そして最も物議を醸している軍事施設説まで。

施設の内部には、今も多くの機械や装置が残されています。錆びついた実験台、謎めいた図面の数々、そして地下に続く階段。これらは一体何のために使われていたのでしょうか。

青木ヶ原樹海で目撃される心霊現象と怪異現象

樹海で目撃される不思議な現象は、一般的な心霊現象とは一線を画すものが多いのが特徴です。それは単なる幽霊の目撃談ではなく、この場所特有の地質や環境が生み出す、より複雑で不可思議な現象となって現れます。

青木ヶ原樹海の心霊体験談 – 実際に起きた恐怖の瞬間

2021年夏、写真家のKさんの体験は特に印象的でした。M山荘の廃墟を撮影中、突如としてカメラのバッテリーが急速に消耗し始めたのです。予備のバッテリーに交換しても同じ現象が起き、最終的に4個すべてのバッテリーが10分ほどで空になってしまいました。

不思議なことに、この現象は建物の特定の場所でのみ発生しました。それは、かつてフロントデスクがあった場所です。さらに驚くべきことに、バッテリーを建物の外に持ち出すと、正常に機能するのです。

また、2020年には、元従業員のTさんが興味深い体験を報告しています。夕暮れ時、かつて自身が働いていたレストランフロアを訪れた際のことです。厨房から、懐かしい料理の香りが漂ってきたといいます。さらに、テーブルの上には温かい湯気が立ち上るティーカップが置かれていたそうです。しかし、そこに近づこうとすると、すべてが霧のように消えてしまったといいます。

地元のガイドSさんも、似たような経験をしています。2019年の案内中、突然1960年代の景色が目の前に広がったというのです。当時営業していた売店や、休憩所で寛ぐ観光客たちの姿。それはまるで、タイムスリップしたかのような鮮明な光景だったといいます。

青木ヶ原樹海の怪異現象 – 科学で説明できるのか?

これらの現象の科学的な解明を試みる研究者たちもいます。2018年から2020年にかけて行われた環境調査では、興味深い発見がありました。

樹海の特定のエリアでは、通常の10倍から100倍もの強い地磁気が観測されたのです。特に旧M山荘の周辺では、その数値が突出していました。この異常な磁場が、電子機器の誤作動や、人間の知覚に影響を与えている可能性が指摘されています。

さらに、溶岩層から放出される特殊なガスの存在も確認されました。この天然のガスには、人間の脳波に影響を与える可能性のある成分が含まれているというのです。幻覚や錯覚の一部は、このガスによって引き起こされているのかもしれません。

しかし、これらの科学的説明でも解明できない現象が数多く存在します。例えば、特定の場所で繰り返し目撃される人影や、複数の人間が同時に体験する「タイムスリップ」のような現象です。

青木ヶ原樹海で撮影された心霊写真の真実

2017年以降、樹海で撮影された写真の中に、説明のつかない映り込みが数多く確認されています。中でも最も有名なのが「レストランの少女」と呼ばれる写真です。

M山荘のレストランフロアで撮影されたその写真には、ウェイトレスの制服を着た少女が写り込んでいました。彼女は、まるで注文を取りに来たかのように、メモ帳を手に微笑んでいます。元従業員によると、その制服は確かに1970年代に使用されていたものと一致するといいます。

また、建物の窓ガラスに映り込む不思議な影も頻繁に撮影されます。それは人の形をしているものの、周囲の風景が透けて見えるような、半透明の姿なのです。2019年の調査では、同じ場所で撮影された複数の写真に、同じ姿が写り込んでいることが確認されました。

樹海が映し出す四季の怪異 – 季節で変化する不思議な現象

青木ヶ原樹海の不思議な現象は、季節によって驚くほど異なる様相を見せます。一年を通じて調査を続けてきた中で、各季節特有の現象パターンが浮かび上がってきました。

春になると、樹海は最も活発な様相を見せ始めます。特に桜の季節には、不思議な現象が頻発します。2021年4月、M山荘の廃墟で興味深い出来事がありました。建物の中に、どこからともなく桜の花びらが舞い込んでくるのです。しかし不思議なことに、樹海には桜の木は一本も存在しません。

写真家のTさんは、この現象を偶然カメラに収めることに成功しました。画像には、まるで誰かが撒いているかのように、渦を巻きながら舞い散る花びらの群れが写っています。画像解析の結果、これらの花びらは1960年代に富士山麓で多く栽培されていた品種と一致することが判明したのです。

夏場の現象は、より神秘的な性質を帯びてきます。特に夏至の前後には、「光の輪舞」と呼ばれる現象が頻繁に目撃されます。夕暮れ時、樹海の上空に無数の発光体が現れ、まるで踊るように旋回するのです。この現象は、気象レーダーにも捉えられており、単なる蛍や光の反射では説明できない特徴を持っています。

秋になると、音に関する不思議な現象が増えてきます。特に紅葉の季節には、かつての観光客たちの賑やかな声が聞こえてくることがあります。2019年の録音調査では、1970年代に実際に使用されていた観光バスのエンジン音や、ガイドの案内する声までもが記録されました。

最も神秘的なのは、冬の樹海です。積雪に覆われた森の中で、不思議な足跡が頻繁に発見されます。それは人の足跡のようでいて、途中で突然消えてしまうのです。2020年の冬、気象研究者のMさんは、これらの足跡を詳細に調査しました。足跡は現代の靴の形状とは異なり、むしろ1950年代に使用されていた登山靴の特徴を持っていたというのです。

また、厳冬期には「氷の記憶」と呼ばれる現象も確認されています。樹海の至る所に形成される霜の模様が、まるで過去の風景を映し出しているかのような形を作るのです。地元の古老によれば、これらの模様は、かつてその場所で起きた出来事の「痕跡」なのだといいます。

2022年の調査では、さらに興味深い発見がありました。これらの季節性の現象が、月の満ち欠けとも密接な関係を持っていることが判明したのです。満月の夜には現象の発生頻度が高まり、新月の時期には急激に減少する。この周期性は、樹海の不思議な力が、自然の大きなリズムと呼応している可能性を示唆しています。

最近では、これらの季節性の変化を、樹海そのものの「呼吸」として捉える研究者も現れています。一年を通じて変化する不思議な現象の数々は、この場所が持つ生命力の表現なのかもしれません。

青木ヶ原樹海にまつわる都市伝説と妖怪伝説

青木ヶ原樹海には、古くから様々な伝説が伝わっています。それらは単なる怪談ではなく、この土地の歴史や文化と深く結びついているのが特徴です。今回は、実際の記録や証言をもとに、これらの伝説の真相に迫っていきたいと思います。

青木ヶ原樹海の都市伝説 – 呪いの噂と恐怖の物語

最も広く知られているのが「迷いの森」の伝説です。樹海に入った人間は、不思議な力に導かれるように深部へと誘われていくという話です。2018年、この現象について興味深い科学的調査が行われました。

研究チームが発見したのは、樹海特有の「音の異常」でした。樹木が密集する特殊な地形により、音が通常とは異なる伝わり方をするのです。そのため、外部の音が極端に遮断され、方向感覚を失いやすい環境が作られているというのです。

また、「時間の歪み」に関する伝説も根強く残っています。樹海の中では時計が狂い、実際の経過時間と体感時間が大きく異なるというものです。2019年の調査では、複数の参加者が同様の体験を報告しています。

特に印象的なのは、元ガイドのMさんの証言です。2時間のはずの探索が、気がつけば5時間以上経過していたというのです。しかし不思議なことに、持参した弁当は温かいまま。まるで時間が止まっていたかのような状態だったといいます。

「13階段」と呼ばれる伝説も有名です。M山荘の地下に続く階段は、下りる時は13段なのに、上る時には12段になるというものです。実際、2020年の調査で、この階段を複数回計測したところ、毎回異なる段数が記録されるという不可解な現象が確認されました。

青木ヶ原樹海に現れる妖怪の伝説とは?

富士山麓の伝統的な妖怪伝承と、近代以降の心霊現象が融合した独特の妖怪伝説も存在します。特に有名なのが「踊り子さん」と呼ばれる存在です。

1960年代、M山荘では定期的にダンスパーティーが開催されていました。現在でも、満月の夜になると、ロビーでドレス姿の女性が踊る姿が目撃されることがあるといいます。彼女は決して人に危害を加えることはなく、ただ優雅にワルツを踊り続けるそうです。

「赤提灯おばあさん」という不思議な存在も目撃されています。夜の樹海で迷った人の前に、赤い提灯を持った老婆が現れ、安全な場所まで導いてくれるというのです。2015年、遭難した観光客が無事に発見された際、「赤い提灯の明かりを頼りに歩いた」と証言しています。

地元の古老によれば、これらの存在は単なる幽霊や妖怪ではないといいます。樹海そのものの意思が、人々を守るために生み出した「守り神」のような存在なのだと。

また、「木魂(こだま)さま」と呼ばれる存在も伝えられています。樹海の木々の間から、時折人の声が聞こえてくることがあります。それは迷った人を惑わすのではなく、むしろ正しい道へと導くような、優しい声なのだといいます。2021年の調査では、これらの声が特定の場所で集中的に記録されることが判明しました。

青木ヶ原樹海の探索レポート – 怖い話と幽霊の噂

僕が樹海の本格的な探索を始めたのは2018年のことです。それ以来、数十回にわたる調査で様々な不思議な体験をしてきました。ここでは、実際の探索で感じた樹海の不思議さと、そこで起きた説明のつかない出来事についてお伝えしていきます。

夜の樹海探索 – 不気味な雰囲気と奇妙な体験

夜の樹海は、昼間とはまったく異なる表情を見せます。日が沈むと、樹々の間に漂う霧が幻想的な光景を作り出すのです。2020年の夏、僕は樹海で一晩を過ごす機会がありました。

夜8時頃、M山荘付近での撮影中のことです。突然、どこからともなくピアノの音色が聞こえてきました。かすかながらも、はっきりとしたショパンのワルツ。音の源を探して建物内を調べましたが、そこにピアノは存在しませんでした。しかし、後の調査で、かつてここにグランドピアノが置かれていたことが判明したのです。

深夜になると、さらに不思議な現象が起こり始めます。建物の窓から漏れる明かり、廊下を行き交う足音、そして遠くで聞こえる人々の話し声。それは恐怖を感じさせるものではなく、むしろかつての賑わいが蘇ってきたかのような、懐かしい雰囲気を漂わせていました。

午前2時頃、最も印象的な出来事が起きました。月明かりに照らされた廊下で、突然温かい風が吹き抜けたのです。そして、その風と共に女性の香水の香りが漂ってきました。それは1960年代に流行した「エメロード」の香りだったと、後に元従業員の方が証言しています。

また、夜間の撮影では不思議な光の玉が写真に写り込むことがあります。これらの光は、意思を持っているかのように移動し、時には人の形を形作ることもあります。科学的な説明を試みる研究者もいますが、いまだ明確な結論は出ていません。

樹海の幽霊の噂 – 霊的な存在が見える理由とは?

樹海で目撃される霊的な存在には、いくつかの特徴的なパターンがあります。最も多いのが、「時代を越えた日常の一コマ」とでも呼ぶべき現象です。

例えば、2019年の探索時には、ロビーで新聞を読む紳士の姿を目撃しました。彼は1970年代のスーツを着て、すでに廃刊となった新聞を読んでいたのです。不思議なことに、その姿は決して怖いものではなく、むしろ穏やかな雰囲気を漂わせていました。

また、建物の各所では「記憶の再生」とでも呼ぶべき現象が頻繁に起こります。かつての従業員が仕事をする姿、団体客でにぎわうレストラン、ロビーでくつろぐ宿泊客たち。それらは、まるでフィルムの1シーンのように、突如として目の前に現れては消えていくのです。

特に興味深いのは、これらの現象が特定の時間帯に集中して起こるという点です。朝7時頃には従業員の姿が、午後3時頃にはチェックインする客の姿が、そして夜8時頃にはディナーを楽しむ人々の姿が。まるで、当時のスケジュールに沿って、過去の一コマが再現されているかのようです。

地質学者のK教授は、これらの現象について興味深い仮説を提唱しています。樹海の特殊な地質が、過去の出来事の「記録媒体」として機能している可能性があるというのです。溶岩層に含まれる特殊な鉱物が、人々の活動の痕跡を何らかの形で保存し、特定の条件下でそれを「再生」しているのかもしれません。

青木ヶ原樹海の自然現象と超常現象の境界

富士山の溶岩が作り出した特異な地形、青木ヶ原樹海。ここでは、自然現象なのか超常現象なのか、その境界線が極めて曖昧な現象が数多く報告されています。

2022年の夏、僕は樹海に点在する溶岩洞窟の調査を行いました。特に印象的だったのは、風穴と呼ばれる場所での体験です。気温30度を超える真夏日だったにもかかわらず、洞窟内は氷点下の温度を保っていました。

しかし、不思議なのはその寒さの質でした。通常の冷気とは異なり、まるで誰かの気配を含んだような、生命的な冷たさなのです。地元の古老によれば、この冷気には浄化作用があるといいます。実際、体調の悪い人がこの場所で過ごすことで、症状が改善したという報告も複数存在します。

また、樹海特有の気象現象も見逃せません。濃霧が発生する頻度が異常に高く、特に夏場の早朝に顕著です。この霧は、一般的な霧とは様相が異なります。まるで意思を持ったかのように動き、時には人型を形作ることすらあるのです。

2021年の気象観測では、興味深いデータが得られました。樹海の中心部では、周囲と比べて気圧が極端に低く、それに伴って特異な電磁場が発生していることが判明したのです。この環境が、様々な超常現象の温床となっている可能性も指摘されています。

洞窟内で頻繁に目撃される「青白い光」の正体も、長年の謎となっています。これは単なる蛍光菌や光の反射では説明できない、持続的な発光現象です。光は意思を持ったかのように移動し、時には探索者を特定の場所へと導くような動きを見せることもあります。

樹海のローカライズされた怪異現象

青木ヶ原樹海の不思議な現象は、場所によって全く異なる特徴を見せます。それは、まるでそれぞれの場所が独自の「記憶」や「性質」を持っているかのようです。

特に顕著なのが、旧M山荘の北側エリアです。このエリアでは、不思議な「時間のずれ」が頻繁に報告されています。2020年の調査では、複数の参加者が同様の体験をしました。腕時計は2時間しか経過していないのに、実際には5時間が過ぎていたのです。

また、溶岩洞窟群が集中する西側エリアでは、独特の音響現象が確認されています。通常では考えられない反響や、過去の音が蘇ってくるような現象が起きるのです。2019年、音響学者のTさんは、1960年代の観光客の話し声らしき音を録音することに成功しました。

樹海の中心部に位置する「沈黙の森」と呼ばれるエリアも、特異な場所の一つです。ここでは、あらゆる音が極端に減衰します。鳥の声も、風の音も、まるで真空の中にいるかのように消え去ってしまうのです。地質学者は、この現象を地下の溶岩層の特殊な構造によるものと説明しようとしていますが、完全な解明には至っていません。

樹海の「記憶」を守る人々の証言

代々この土地に暮らし、樹海を見守ってきた人々は、独自の知恵と経験を持っています。彼らの証言は、単なる怪談や都市伝説とは一線を画す、リアリティを持っています。

林野庁で40年間勤務したSさんは、こう語ります。「樹海は生きています。私たちが彼女に敬意を払うとき、彼女も私たちに応えてくれるのです」。実際、Sさんの案内で樹海を訪れると、不思議と道に迷うことがないといいます。

また、地元の古老たちは、樹海の中で「結界」の存在を指摘します。特定の場所を境に、急に空気が変わったり、時間の流れが変化したりする場所があるというのです。2018年の調査では、そうした場所で実際に気圧や磁場の急激な変化が観測されました。

観光ガイドのKさんは、15年間の経験を通じて、樹海には「善意の存在」が宿っていると確信しているといいます。迷った観光客を正しい道へ導く不思議な光、疲れた人の背中を押してくれる温かい風。それらは決して危害を加えることなく、人々を守ろうとしているのだと。

まとめ:青木ヶ原樹海の廃墟と心霊現象の謎

5年にわたる樹海の調査を通じて、僕は一つの結論に達しました。この場所で起きる不思議な現象は、単なる心霊現象として片付けられるものではないということです。それは、自然と人工物、過去と現在、科学と超常が複雑に絡み合った、より深い謎を秘めているのかもしれません。

青木ヶ原樹海の持つ特殊性は、いくつかの要因が重なって生まれています。まず、地質学的な特徴として、溶岩台地特有の磁場の乱れがあります。これは電子機器の誤作動や方位磁針の狂いを引き起こす原因となっています。

また、樹海特有の地形が作り出す音響効果も見逃せません。密集した樹木が音を遮断し、特殊な反響を生む環境は、人々の知覚に独特の影響を与えます。時には、何十年も前の音が蘇ってくるかのような錯覚すら感じることがあります。

さらに興味深いのは、これらの自然環境と人工物との相互作用です。特にM山荘周辺では、建物の存在が周囲の磁場に影響を与え、より複雑な現象を引き起こしているという説もあります。2021年の調査では、建物の構造体が一種のアンテナとして機能し、過去の「記憶」を増幅させている可能性が指摘されました。

しかし、これらの科学的なアプローチだけでは説明できない現象も数多く存在します。例えば、複数の目撃者が同時に体験する「タイムスリップ」のような現象。また、特定の場所で繰り返し目撃される人影や、意思を持ったかのように移動する光の玉。これらは、私たちの知る科学の範疇を超えた何かを示唆しているのかもしれません。

とりわけ印象的なのは、樹海で目撃される霊的な存在の性質です。一般的な心霊スポットで語られるような恐怖や怨念の類ではなく、どこか懐かしさや温かみを感じさせる存在が多いのが特徴です。まるで、かつてこの場所で過ごした人々の幸せな記憶が、時空を超えて現代に漏れ出してくるかのようです。

地元の古老は言います。「樹海は記憶の宝庫なんです」と。確かに、この場所には様々な時代の記憶が幾重にも積み重なっているように感じます。原生林としての悠久の歴史、開発期の熱気、そして突然の廃墟化。それらすべてが、この場所独特の雰囲気を作り出しているのでしょう。

最後に、これから樹海を訪れようと考えている方々へのメッセージを。この場所は決して、単なる心霊スポットとして扱われるべきではありません。ここには、日本の近代化の歴史や、自然と人工物の複雑な関係性、そして人々の想いが深く刻み込まれているのです。

そして何より、樹海そのものが持つ神秘的な力を忘れてはいけません。不思議な現象の数々は、私たちの知らない世界の一端を垣間見せてくれているのかもしれないのです。これからも僕は、この場所の謎を解き明かすべく、調査を続けていきたいと思います。

最後に一つ、不思議な出来事をお伝えしましょう。この記事を書き終えようとしている今、僕の机の上に一枚の古い写真が置かれています。それは1960年代のM山荘を撮影したもの。建物は今とは違って、生き生きとした輝きを放っています。そして不思議なことに、この写真を見ていると、かすかにピアノの音色が聞こえてくるような気がするのです。

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